
が高く、なおかつ、Uターン経験者は「減った」とする比率が高いことから、Uターン者の方が収入が減った場合が多いといえ、賃金に対する不満が高いことを裏づける結果となった。 最後に、転職者全体で、現在の仕事(職種)別に収入の変動をみてみよう。この分析によって、転職によって収入の低下しない職種が明らかになるだろう。この分析もUターン(地域間移動)の経験別に集計することが望ましいが、分析にたえないほどにサンプルが少なくなるため割愛した。図表4-30の中からサンプル数が10ケース以上の職種を見ると、総務・人事・労務・教育、設計などで「増えた」とする比率が高く、営業・販売、研究開発で「変わらない」とする比率が高い。また、情報処理・情報システムや接客サービスで、減ったとする比率がほぼ7割に達するなど、職種によって明暗が分かれている。 
(3) 労働時間への満足度 入職類型別に労働時間の満足度をみると(図表4-31)、同じ新卒者では、新卒ローカルの方が新卒Uターンに比べて満足度は高い。また、転職者では、満足と不満の比率がUターンとローカルの間で正反対であり、転職Uターンの方は満足度も低いが不満度も低く、逆に転職ローカルの方は、満足度も高いが不満度も高いという結果となった。つまり転職ローカルの場合、労働時間の長い企業に転職した者と短い企業に転職した者とで2極分化していると考えられる。転職ローカルに比べるとUターン者は、比較的労働時間が長い傾向がある大都市圏から、労働時間の短
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